第6回研究会:かなの歴史を学ぶ

2012年6月5日に第6回研究会が開催されました。

北海道大学大学院博士後期課程の岡田一祐さんに「仮名のなりたち」と題して、仮名が生まれたときから現代の平仮名の基準が定められるまでの歴史をひととおり講義してもらい、いくつかの質問などをやりとりを行いました。


「中文字」の発見

欧文アルファベット書体にはそれぞれ大文字と小文字が存在することによって、文章の見やすさと筆記のしやすさを両立させている。 ここで大文字と小文字の形をあらためて見てみるとその成り立ちを想像し易いものとそうでないものがあることに気付く。そこで大文字から小文字が生み出される経緯をリニアに想像し、その中間における「中文字」を発見したい。大文字でも小文字でもない中間の感情(ニュアンス)を持った形を探る試み。


「横書きかな」の開発

もともとは縦書きからスタートした和文書字が、現在ではコンピューター画面上の表記や英文との組み合わせのために横書きで使用されることが多くなっている。

和文の中でも「かな文字」は本来、縦書き漢字の簡略化から生まれた文字であり、そこには必然的に縦書きの動き(ストローク)が入り込んでいる。そんな動きを秘めた「かな文字」が横に組まれることは、「かな文字」が生み出された時代には予想もされなかったことである。

仮に「かな文字」が、横書き文字として変異していったとしたら、どのような形になるのであろう。かなの成り立ちを横書きの視点から見直して、あらたな「横書きのためのかな文字」の姿を見出してみたい。

参加メンバー(50音順):岡澤慶秀(ヨコカク),塚田哲也(大日本タイポ組合),秀親(大日本タイポ組合